Program

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756〜1791)
  Wolfgang Amadeus Mozart


 アイネ・クライネ・ナハトムジーク ト長調 K.525
   Eine kleine Nachtmusik
    I  Allegro
    II Romanze -Andante
    III Menuetto -Allegretto
    IV Rondo -Allegro

    ---------- 休憩 ----------

グスタフ・フォス先生、富田 優先生に捧げる

 レクイエム(死者のためのミサ曲) ニ短調 K.626
 Requiem

  入祭唱(Introitus)
  キリエ(Kyrie)
  続唱(Sequentia)
    怒りの日(Dies irae)
    不思議なラッパの音(Tuba mirum)
    恐るべき威光の王よ(Rex tremendae)
    思い出したまえ(Recordare)
    呪われた者が(Confutatis)
    涙の日(Lacrimosa)
  奉納唱(Offertorium)
    主イエス・キリストよ(Domine Jesu)
    ホスティアス(Hostias)
  サンクトゥス(Sanctus)
  ベネディクトゥス(Benedictus)
  アニゥス・デイ(Agnus Dei)
  コムニオ(Communio)

ソプラノ 新田 恵  アルト 堪山 貴子  テノール 枝川 一也  バス 高澤 孝一
栄光学園フィルハーモニック・オーケストラ
栄光学園フィルハーモニック合唱団
指揮 吉田 秀文

Profile

ソプラノ 新田 恵(にった めぐみ)

 国立音楽大学声楽科卒業。
 声楽を秋山衛、森明彦、三浦久美子、ポピュラーヴォーカルを山下美音子、故内藤法美、の各氏
に師事。
 これまでにベートーヴェン「第九」「合唱幻想曲」、ブリテン「キャロルの祭典」、グノー「ミ
サ曲」他合唱曲のソリストを数多く務める。
 「歌のおねえさん」として全国の学校で演奏活動を行う。また、志摩スペイン村、東宝、スーパ
ーエキセントリックシアター、青年座、渋谷区第九、淑徳大学、成蹊大学、他アマチュア合唱団で
ヴォイストレーナーとして指導に当たる。
 現在、早稲田大学コールポリフォニー、川口第九を歌う会を指導。尚美学園ミュージカル学科非
常勤講師。


アルト 堪山 貴子(かつやま たかこ)

 東京芸術大学、同大学院オペラ科修了。二期会オペラスタジオ37期修了。
 1991年、「カヴァレリア・ルスティカーナ」ローラ役にてオペラデビュー。その後「ウィンザー
の陽気な女房たち」「ヘンゼルとグレーテル」「こうもり」「カルメン」のタイトルロール等のオ
ペラに出演。アルト・ソロとしては1998年新日本フィル「第九」をはじめ、「メサイア」「復活」
「千人」「レクイエム」等に出演。昨年は小沢征爾指揮「フィガロの結婚」(抜粋)にケルビーノ
役で出演し、好評を博した。
 門田公夫、木村宏子の両氏に師事。二期会会員。


テノール 枝川 一也(えだがわ かずや)

 東京芸術大学声楽科卒業。同大学院独唱科終了。イタリア・ミラノ留学。
 渡邊高之助、佐藤幹一、G.プランデッリ、D.E.エルベルディングの各氏に師事。「芸大メサイア」
でデビュー。「芸大安宅賞」受賞。「東京文化会館推薦音楽会オーディション」合格。リサイタル
6回。その他各種宗教曲のソリストとして内外で数多くの演奏会に出演。オペラでは「ラ・ボエー
ム」「椿姫」「こうもり」「ドン・ジョヴァンニ」「夢遊病の女」「犀」「じゅごんの子守歌」等
の主たる役を演じ、常に好評を博す。
 現在、広島大学教育学部音楽科助教授、グループナーベ会員。


バス 高澤 孝一(たかざわ こういち)

 宮城県仙台市出身。
 東京芸術大学声楽科卒業。
 今までに、ベートーヴェン「第九」、モーツァルト「戴冠ミサ」「ミサ・ソレムニス」等のソリ
ストを務める。また、昨年3月に日本初演された、ヘルムート・ラッヘンマン作曲「マッチ売りの
少女」のヴォーカルメンバーとして出演。
 現在、栄光学園中学高等学校講師。


指揮 吉田 秀文(よしだ ひでふみ)

 東京学芸大学D類音楽科卒業。東京芸術大学声楽科卒業、同大学院音楽教育専攻修了。
 芸大在学中にバッハカンタ−タクラブに所属し、小林道夫氏のもとで研究を積み、定期演奏会等
で独唱を担当した。主にドイツ歌曲や宗教曲を得意とし、ベートーヴェン「第九交響曲」「ハ長調
ミサ」、モーツァルト「レクイエム」「戴冠式ミサ」、バッハ「クリスマスオラトリオ(福音史家)」
「ロ短調ミサ」他で独唱を多数務めた。また、合唱指導に精力的に取り組み、好評を得ている。栄
光学園創立50周年記念演奏会において、グノー「聖セシリアのための荘厳ミサ」を指揮し、成功を
収めた。さらに、音楽教育分野においても研究を重ねている。
 佐藤幹一、磯貝静江、E.ヘフリガーの各氏に声楽を、山本文茂氏に音楽教育学を師事。現在、栄
光学園中学高等学校教諭。

曲目について

 モーツァルトが35歳で死んだのは1791年12月5日。この日は私の妹の誕生日、叔父の命日でも
あった。そして1972年の12月5日、私達は結婚した。この年のこの日は日曜日で、この日を選ぶこ
とができたのだった。さらに数ヵ月後、長男の出産予定日が1月23日と告げられ、ひょっとすると
モーツァルトと同じ1月27日になるかと期待したが、結果的には長男は1月17日に生まれ、後に阪
神大震災が起こった日となった。 ついでに、二男の誕生日は12月5日の可能性があったが、2日早
くザビエルの日に生まれた。……以上はみなさまにとってはどうでもよい、全く個人的で感傷的な
回想。
 このレクイエムには K.626というモーツァルトの最後の作品番号(ケッヒェルが作曲年代順に整
理したもの)が与えられている。死の5ヶ月前の7月、ある人物の使者がモーツァルトを訪れ、相
当な報酬を提示して「死者のためのミサ曲」を依頼した。その頃すでに彼は病魔に冒されて死をも
予感しており、完成に至る自信はなかったが、経済状態からは逃せない契約内容だったのでこれを
受けた。時期的には有名な最後のオペラ「魔笛」(K620)やクラリネット協奏曲(K622)と並行
して作曲された。
 しかしモーツァルトの命は曲の完成までもたなかった。「自分のために書いているようだ」とい
う彼の言葉が伝えられているが、その通りになってしまった。完成していたのは入祭文とキリエの
みで、ディエス・イレからは声楽部と低音部だけが残され、ラクリモーザの第8小節で止まってい
た。このラクリモーザの冒頭は全曲中で最も印象的な旋律である。ここでモーツァルトが死んだと
いうことを知っているからなおさらそう感じるのかもしれない。かつてのLPレコードだとここま
でがA面に入っていた。ラクリモーザが終わると満足してしまい、B面を聴かないことが多かった。
 妻のコンスタンツェは、未完成のままでは注文主に渡せない(つまり金にならない)ので、弟子
のジュスマイアーに頼んで曲を完成させ、2ヶ月後にこのことは秘したまま作品を渡した。おまけ
にこの注文主のヴァルゼック伯爵というのが、注文した作品を自作として演奏するという癖のある
人物で、実際その通りにしたので、この名作は完成、初演からなにかとややこしい問題をかかえる
ことになった。さらに最近では、ジュスマイアー版に対する補正がさかんに行われるようになり、
手元のカタログを見ると6つの版(version)についてそれぞれ優れた演奏家の録音が載っている。
(今日の演奏はジュスマイアー版である。)
 聴く前には不要な周辺事情ばかり書いてしまった。大切なのは以下の数行のみ。
 モーツァルトは死ぬ4年半前(31歳!)の手紙に、死について「人生の究極であって、恐れるど
ころかむしろ慰安を感じていた」と書いている。彼はこれをそのまま音楽にした。数あるレクイエ
ムの名作のなかでも、このレクイエムがもっとも虚飾なく人間の生と死を表現しているように思う。

 今日はじめに演奏される弦楽合奏曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク=小さなセレナーデ」
は1787年、 オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の頃の作曲。 短い中にモーツァルトの音楽の美しさが
ぎっしりつまった曲である。

 演奏会から帰るともう一度その曲を聴いてみたくなる。モーツァルトのレクイエムは、ヘレヴェ
ッヘ指揮のCDをぜひ。そして次は、別のレクイエムを聴くか、モーツァルトの他の作品を聴くか。
レクイエムならヴェルディ、ドヴォルジャーク、フォーレ、デュリュフレなどの名曲がある。モー
ツァルトの曲なら、クラリネット協奏曲、最後のピアノ協奏曲、ミサ曲、「魔笛」……。次に何を
聴くかを迷うのはとても幸福な時間である。

                             (本校社会科教員 大沢 洋一郎)


              栄光フィルハーモニー合唱団・管弦楽団

ソプラノ
 青山 操
 安藤 洋子
 飯野 彩子
 家崎 美奈子
 大竹 やよい
 大谷 幸子
 大津 千香子
 岡崎 千栄
 岡村 裕子
 小田 妙子
 小原 千寿留
 垣花 允子
 金子 満美子
 神近 明子
 河合 知子
 河村 紀子
 兒玉 洋子
 小松 久子
 近藤 純子
 斎藤 恵子
 佐々木 節子
 佐藤 順子
 佐藤 優子
 清水 晴子
 菅原 博子
 杉崎 道子
 鈴木 陽子
 角 元子
 田草川 俊子
 田辺 沙保里
 寺本 和美
 中瀬 瑞枝
 長瀬 靖子
 波多野 敦子
 本城 保子
 松井 静江
 森 佐和子
 柳 由美子
 横谷 多歌子
 横山 千鶴子
 吉田 裕美
 吉野 富美江

アルト
 飯野 幸子
 池上 静子
 泉 みち子
 岩間 祥子
 大垣 洋子
 大野 慶子
 笠井 和枝
 亀谷 二三子
 神田 信子
 菊池 愛子
 小須田 安代
 駒井 尚美
 佐藤 純子
 佐野 康代
 沢田 美知子
 重野 和子
 須川 みゑ子
 高田 幸子
 高津 紀子
 高松 富貴子
 滝本 博子
 武井 佳子
 田辺 千佳子
 鳥居 和子
 野村 尚子
 原 由利子
 樋口 敬子
 菱沼 美奈子
 平木 良子
 細川 由紀子
 三浦 雅枝
 三村 須美恵
 村上 尚子
 森 優子
 安田 眞理子

テノール
 赤羽 宏之
 荒井 英雄
 太田 正人
 大西 猛
 岡野屋 正男
 小原 健誉
 金井 哲也
 菊地 靖之
 後藤 典彦
 小山 泉
 境田 昭一
 清水 誠
 角 利洋
 春江 尚彦(53期)
 藤原 浩
 森 英敏
 森田 真
 鷲見 航介

バス
 稲垣 貢
 井上 博雄
 岩渕 正観
 大久保 源一郎
 大垣 俊朗(52期)
 大橋 克也
 奥 忠恕
 金子 隆志
 上泉 正俊
 小柴 英昭
 佐竹 亮
 佐藤 紘一
 柴崎 英二
 高野 隆
 鳥居 薫
 中川 洋佑(49期)
 長島 次郎
 橋本 晴人
 服部 修平
 樋口 次郎
 平石 富男
 安原 託男
 吉田 宣俊
 河本 清彦

合唱指導
 高澤 孝一
練習ピアニスト
 吉光 久子
 菱沼 美奈子

ヴァイオリン
 高橋 広行 (51期)
 佐井 宏聡 (51期)
 千葉 創  (51期)
 安田 尭彦 (53期)
 山本 融  (50期)
 柳 嘉典  (52期)
 小野 裕一郎(53期)
 川瀬 弘章 (54期)
 田辺 寛樹 (51期)
 南 弘毅  (51期)
 中川 竜一 (51期)
 逸見 豪  (51期)
 飯野 珠美
 石曾根 肇
 内山 ますみ
 小山 結貴
 川瀬 弘一
 児玉 真理
 角 也寸子
 高橋 宗芳
 田村 博文
 東畑 賀久子
 野村 和子
 逸見 宗子

ヴィオラ
 有金 愛佳
 飯野 習一
 江上 茂樹
 川瀬 かつ子
 川瀬 弘一
 高山 智
 谷 美奈子

チェロ
 神田 順平 (51期)
 小林 諭史 (52期)
 上田 和男
 小野 顕司
 望月 伸一郎

コントラバス
 小林 久子
 増井 啓
 村山 洋一

クラリネット
 池上 真一郎(52期)
 清水 翔一 (52期)
 野田 祐介 (賛助)
 福島 直子 (賛助)
ファゴット
 梶山 泰俊
 松木 葉子
トランペット
 早川 佳之 (50期)
 伊藤 直樹
トロンボーン
 今込 治  (賛助)
 加藤 直明 (賛助)
 佐藤 洋樹 (賛助)
ティンパニ
 樽井 翔  (51期)

コンサートマスター
 高橋 宗芳

弦楽指導
 田村 博文
(読売交響楽団)

事務局
 小田 妙子
 森 佐和子
 吉光 久子
顧問
 伊藤 直樹
 望月 伸一郎
 吉田 秀文